はじめに
「MSCベリッシマのクルーズを見て、『あ!ジャパネットクルーズだ!』と思う人も多いのではないでしょうか?」
でも実は、あれはジャパネットが自社で運航している船ではありません。船の本体は、長い歴史を持ちヨーロッパを拠点とするMSCクルーズ社の「MSCベリッシマ」。
ジャパネットはこの船をチャーター(貸し切り)して、“日本人向けにアレンジしたプラン”として販売しているのです。つまり、同じMSCベリッシマでありながら「ジャパネットクルーズ」と「通常のクルーズ予約(一般販売)」とで料金やサービスが変わる、というわけですね。
本記事では、クルーズ初心者のシニア層の方でもわかりやすいよう、ジャパネットクルーズと通常クルーズの違いを詳しく解説します。それぞれの特徴を理解することで、「どちらのプランが自分に合っているのか」が見えてくるはず。クルーズ旅行は「時期と期間」によって料金も内容も変わります。まずはご自身の都合のつく時期を基準に、じっくりプランを選んでみてください。
ジャパネットクルーズと通常クルーズの基本的な違い
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まずはざっくりと比較表をご覧ください。どちらの場合も船は同じ「MSCベリッシマ」ですが、販売元とプラン内容が異なることで体験が変わります。
項目 | ジャパネットクルーズ | 通常クルーズ(一般予約) |
---|---|---|
販売形態 | – ジャパネットが船を貸し切り(チャーター) – 日本人向けに特化したパッケージツアー(飲み放題やイベント込) | – 旅行代理店やMSC公式サイトなどで個別に予約 – 多国籍な乗客が集まる一般的なクルーズ販売スタイル |
料金システム | – 飲み放題・チップ込みが最大の特徴 – 追加のアルコール代やサービス料の心配が少ない – 朝食のルームサービスでも、和食メニューが選べる(ジャパネット独自) | – 基本料金にメインレストランやビュッフェでの食事は含まれている – 飲み放題パッケージとチップは別途で、必要に応じて追加 – 寝室プラン(ベラ、ファンタスティカ等)によりルームサービスの有無や料金が異なる(ファンタスティカなら朝食無料) |
日本語対応・サポート | – 案内放送や船内新聞、イベント案内までほぼ完全日本語対応 – ジャパネットならではのコールセンターや事前ガイドブックも充実 | – 日本発着コースなら日本語スタッフ・日本語船内新聞を用意 – 代理店が日本企業なら予約時〜乗船中も日本語サポートが受けやすい – 英語対応が基本のイメージだが、実際は日本語環境が拡充されつつある |
オプショナルツアー | – 日本語ガイド付きツアーが豊富 – 団体行動的な色合いが強い – ただし参加は強制ではなく、自由行動も可 | – 多彩な寄港地ツアーを船会社や代理店が用意 – 日本語ガイドが付くツアーも増加中だが、英語メインの場合も – もちろん自由行動もOK |
乗客層・雰囲気 | – シニア世代が中心で落ち着いたムード – 満席まで乗せず、比較的ゆとりある空間 – イベント内容も日本人好み(ラジオ体操やカラオケ大会など) | – 家族連れや若者、外国人客も多く、多国籍で賑わう – バーやプールも活気があり国際色豊か – 飲み放題を付ける人がそこまで多くないため、バーは意外と空いているシーンも |
その他の費用・税金 | – 港湾税や諸経費は「ツアー詳細」に別途いくらかかるかが明記 – 事前に総額を把握しやすい | – 同様に港湾税や諸費用は事前に見積もり – 飲み放題やチップなどのオプションを加える加えないで最終額が変動 – 旅行会社によるキャンペーンや割引がある場合も |
料金の決め手:飲み放題とチップ、そしてルームサービス
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ジャパネットクルーズと通常クルーズの大きな差は、飲み放題パッケージ・チップ込みであるかどうかです。
- ジャパネットクルーズ
- 飲み放題:アルコール含め150種類のドリンクを料金内で楽しめる
- チップ込み:通常なら1日あたり18ドル前後のサービス料が不要
- 朝食のルームサービスで和食メニューを選べる(ジャパネット独自の特典)
- 通常クルーズ
- 飲み放題はオプション:ノンアルコールなら1日35ドル程度、アルコール込みなら1日55ドル前後などプランに幅がある
- チップは別途(1日18ドルほど×日数)
- 客室カテゴリーによっては朝食のルームサービスが無料(ファンタスティカ)だが、ベラだと1回あたり約2,000円かかる
- 逆に言えば飲み放題やルームサービスを利用しない人は、その分支出を抑えられる
ルームサービスの違い
ジャパネットクルーズ:和食メニューを含むモーニングサービスが追加料金なしで楽しめるのが魅力。
通常クルーズ(ファンタスティカ):朝のルームサービスが無料。申込用紙に希望のメニューや時間帯を記入し、ドアノブに掛けておくだけ。翌朝、スタッフが指定の時間に届けてくれます。
通常クルーズ(ベラ):ルームサービスの朝食に1回あたり約2,000円かかるため、利用頻度が多い人には負担増。
こうした“ちょっとしたサービス”をどこまで重視するかでも、どちらがお得かは変わります。「和食の朝食をお部屋で食べたい」「外に出るのが面倒だからルームサービスを毎日使いたい」という方にはジャパネットクルーズやファンタスティカが嬉しいですね。
船内生活は同じ船でも雰囲気が違う
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設備は共通
広大な船内にプール、ウォータースライダー、劇場ショー、レストランやバー…と魅力が詰まったMSCベリッシマ。ハード面は同じなので、どちらで予約しても同じ施設を使えます。メインレストランやビュッフェでの食事は基本料金に含まれ、追加費用なしで朝昼夜しっかり楽しめるのもクルーズ旅行の醍醐味です。
イベントや船内アナウンス
- ジャパネットクルーズ
- 朝のラジオ体操や日本人向けカルチャー教室、ショーも日本語メイン
- 乗客はシニア層が多く、落ち着いた雰囲気で混雑もやや少なめ
- 通常クルーズ
- 国際色豊かなショーや英語・多言語対応のイベントが多い<br>(日本発着なら日本語の船内新聞も配布される)
- 休暇シーズンなどは子連れや若者が多く、より“海外旅行気分”を味わえるにぎやかさ
オプショナルツアーと港湾税:どちらも事前に把握しやすい
寄港地観光(オプショナルツアー)
- ジャパネットクルーズ
- 日本語ガイド付きツアーが揃っていて安心
- 参加は強制ではなく、自由行動を選べる
- 通常クルーズ
- 船会社(MSC)が用意する多彩なツアーから選ぶ
- 日本語ガイド付きプランも増えつつある
- 自分でタクシーや公共交通機関を使って冒険する楽しさも
港湾税・諸経費
クルーズでは寄港地利用の税金や諸費用(港湾税)がかかります。どちらのプランを選んでも、ツアー詳細に「別途××円(またはドル)」と明記されているので、事前に見積もりできる点は安心です。料金が高いと感じるかもしれませんが、「船そのものが大きな街のようなもの」なので、それを受け入れる港湾施設も莫大なコストがかかるわけです。
キャンセル規定は要注意
ジャパネットクルーズ、通常クルーズともに、出発の数ヶ月前から段階的にキャンセル料が発生していき、最終的には旅行代金の100%がかかるケースが多いです。高額な旅だけに、日程が確定してから申し込むほうが無難ですし、旅行保険でキャンセル補償があるものに加入しておくと安心です。
ツアーを選ぶコツ:まずは「時期と期間」を優先して考えよう
クルーズ選びでいちばん大切なのは、「自分が行ける時期・行きたい時期に、どんなコースがあるか」を探すこと。同じコースでも時期や期間によって料金は大きく変動します。とくに
- ピークシーズン(GW・お盆・年末年始など):需要が高く、値段も上がる傾向
- オフシーズン(春先・秋口など):比較的安価なプランや直前割引が出やすい
また、クルーズは日数が長くなるほど当然費用も高額になります。ジャパネットクルーズは10日以上の行程が多い分、どうしてもトータルの旅行代が高くなりがち。一方、通常クルーズには5〜7日程度の短めコースもあり、まとまった休みが取りにくい現役世代にとってはそちらの方が利用しやすい場合もあるでしょう。
「行きたいときに、自分が確保できる日数で無理なく行けるコースはどれか」—これが最初に決めるべき優先事項です。そのうえで、飲み放題やチップ込みか否か、和食メニューのモーニングを重視するかどうか…といった細かい好みや予算感で比較すれば、より最適なプランを絞りやすくなります。
まとめ
同じ船「MSCベリッシマ」でも運営・販売形態で体験が変わる
- ジャパネットクルーズ
- 飲み放題&チップ込みで追加精算が少ない
- 朝食のルームサービスで和食が楽しめるなど独自サービスあり
- シニア中心で落ち着いた雰囲気
- 通常クルーズ
- 飲み放題やチップを別途にする分、あまりお酒を飲まない人には割安に感じる
- ファンタスティカプランなら朝のルームサービスが無料、ベラだと有料
- 国際色豊かな雰囲気、季節により乗客層の幅が広い
寄港地観光や港湾税も事前把握可能
オプショナルツアーへの参加は強制ではありません。日本語ガイド付きツアーが増えているので不安があっても安心です。港湾税や諸経費はツアー詳細で確認でき、最終的な費用を把握しやすいのもクルーズの特徴です。
キャンセル料は早期から段階的に高額になる
数十万円〜90万円以上の負担になるケースもあるため、日程が確定してからの申込みがおすすめ。旅行保険のキャンセル補償を検討すると安心です。
まずは「時期と期間」をチェック
- 料金や内容は、出発日やシーズン、日数によって大きく変動する
- ピークを外したオフシーズンのほうが割安になるケースも多い
- 長期日程をとれるならジャパネットの10日コースも良し、1週間程度しか休めないなら通常クルーズの短めコースも視野に
クルーズ旅行は一度体験すると「船の上で暮らすように旅する贅沢さ」にハマる人が多いと言われています。MSCベリッシマのような大型船で、移動を楽しみながら港町を次々に訪問できるのはクルーズならではの魅力。ぜひ時期や期間を優先して検討しつつ、自分に合ったプランを見つけてみてくださいね。
みなさまが素晴らしい船旅を満喫できますように!