スマホやタブレット・PCのバッテリーは機内持ち込み?それとも預け荷物に入れれる?

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パソコン・スマホ・タブレットのバッテリーと飛行機の持ち込みルール

飛行機に乗るとき、「バッテリーは持ち込んで大丈夫かな?」と心配になる方も多いですよね。

特にモバイルバッテリー(いわゆる携帯用の充電バッテリー)は持ち込み条件がよく話題になりますが、ではスマホやパソコンに内蔵されたバッテリーはどう扱われるのでしょうか。

実は モバイルバッテリーとスマホ・PCなどデバイス内蔵バッテリーではルールが少し異なります

本記事では、ノートパソコン・スマートフォン・タブレットに搭載されたバッテリーの機内持ち込みルールや預け入れ手荷物の規則、航空会社ごとの違いなどをカジュアルにわかりやすく解説します。

旅行前の不安を解消し、安全に楽しくフライトを楽しむためのポイントを見ていきましょう。

機内持ち込みルール

まずは機内に持ち込む場合のルールです。

基本的にリチウムイオン電池(リチウム電池)を搭載した電子機器は、定められた容量(ワット時定格量, Wh)以下であれば機内への持ち込みが認められています 。

国際的な基準では バッテリーの容量が160Wh以下 であれば客室内に持ち込み可能で、100Whを超えて160Wh以下の場合は1人あたり2個までという個数制限があります。

一方、160Whを超える大容量バッテリーは機内持ち込み禁止となります。

普段使いのスマホやノートPCのバッテリー容量はこの範囲内に収まっており(参考までにスマートフォンの多くは3~10Wh、ノートパソコンでも30~100Wh程度です、通常は安心して機内に持ち込めます。

ではスマホ・タブレット・ノートPC本体については何台まで持ち込めるのでしょうか?

実は明確な台数制限はなく、「個人使用の範囲内」で常識的な数であれば問題ありません。

たとえばスマホ2台にタブレット1台、ノートPC1台程度を持って搭乗してもOKです。

中国系航空会社など一部では細かいガイドラインを設けており、中国南方航空では機内に持ち込める電子機器は1人15台までといった目安があります。

とはいえ15台もデバイスを持つことは稀でしょうから、通常の旅行でそこまで気にする必要はないでしょう。

一方、予備バッテリー(モバイルバッテリーや取り外し可能な予備のPCバッテリーなど)は扱いが異なります。

これらは「予備のリチウム電池」とみなされ、必ず機内持ち込み手荷物に入れる必要があります(預け入れは不可)。

容量100Wh以下の予備バッテリーは個数制限なく持ち込めますが、100Wh超~160Wh以下のものは最大2個までに制限されています。

また航空会社によっては100Whを超える予備電池を持ち込む際に事前の申告や承認を求める場合もあります。

万が一100Whを超える大容量の予備バッテリーを持ち歩く場合は、事前に各航空会社のルールを確認しておくと安心です。

なお160Wh超のバッテリー(一般的な範囲を大きく超える特殊なもの)は旅客機への持ち込み自体が禁止されています。

まとめると、機内持ち込みの基本ルールは以下のとおりです:

  • デバイス本体(内蔵バッテリー):160Wh以下のリチウム電池を搭載したスマホ・タブレット・PCは機内持ち込み可。台数に明確な制限はありません(常識の範囲で)。
  • 予備バッテリー(リチウム電池単体):100Wh以下は機内持ち込み可(個数制限なし)。100Wh超~160Wh以下は2個まで機内持ち込み可。
  • 160Wh超は持ち込み不可。

機内ではこれら電子機器やバッテリーは基本的に手荷物に入れて客席に持ち込む形になります。スマホやPCはフライト中に使用できますが、モバイルバッテリーに関しては機内での使用(機器への充電)は禁止としている航空会社もあります。

安全のため、搭乗中は予備バッテリーの電源はオフにし、必要時以外は取り出さないようにしましょう。

預け入れ手荷物のルール

リチウムイオンは機内持ち込み

次に、預け入れ手荷物(受託手荷物)として預ける場合のルールです。基本的な大原則として、リチウムイオン電池を含むバッテリー類は預け荷物に入れてはいけません

国際民間航空機関(ICAO)や各国当局の指針により、モバイルバッテリーなど予備電池は貨物室への積載が禁止されています。

貨物室で万が一バッテリーから出火しても客室乗務員がすぐに対応できないため、安全のための措置です。

そのため予備のバッテリーや充電器一体型のバッテリーパックは必ず機内持ち込み手荷物に入れるようにしましょう。

スマホやPCなどの内蔵バッテリーの場合は?

では、スマホやノートPCなどバッテリー内蔵の電子機器本体は預け入れできるのでしょうか?

結論としては 「可能だが推奨されない」 というスタンスになります。

多くの航空会社では、リチウム電池内蔵機器を預け入れること自体は禁止はしていませんが(160Wh以下であれば預け入れ可能とする規定があります、できる限り機内持ち込みにするよう推奨しています。

預けた荷物の中でバッテリーが衝撃を受けたり誤作動すると危険なためです。

どうしてもPCなどを預けたい場合

どうしてもノートパソコンなどをスーツケースに入れて預けたい場合は、必ず電源を完全にオフにしてください。

スリープモードや蓋を閉じただけの状態では不十分です。アラーム設定やスケジュール起動するアプリがあれば解除し、移動中に絶対に電源が入らないようにする対策が必要です。

また、本体が圧迫されて電源ボタンが押されっぱなしにならないよう、衣類でくるむ・ハードケースに入れるなど衝撃や圧力から守る梱包をしましょう。

リチウム電池を内蔵した機器をどうしても預ける場合の注意点として、多くの航空会社が「電源オフ・破損防止・誤作動防止」を呼びかけています。

取り外し可能なバッテリーの扱い

一方、取り外し可能なバッテリーをお持ちの場合は取り扱いに注意が必要です。

例えばノートPCの予備バッテリーや、一眼レフカメラの交換用バッテリーパックなどが該当します。

これら取り外し式のバッテリーは必ず機内持ち込みにしてください。

本体から外してしまえばそれは「予備電池」となり、預け荷物には入れられません。

同様に、モバイルバッテリー(外付けバッテリー)は絶対に預け入れ荷物に入れないようにしましょう。

もしうっかりスーツケースに入れて預けてしまうと、保安検査で見つかって没収されたり、最悪場合によっては搭乗拒否にもなりかねません。

また、バッテリーの安全対策(短絡防止や梱包ルール)についても押さえておきましょう。

予備バッテリーを機内に持ち込む際は、端子部分のショート(短絡)を防ぐ処置が求められます。

具体的には、電極端子がむき出しになっている電池はテープで絶縁するか、ひとつずつ個別の袋やケースに入れて他の金属類と触れないようにします。

購入時のパッケージがあればその箱に入れるのも効果的です。複数のバッテリーをまとめてビニール袋に入れるようなことは避け、必ず一つ一つ分けて梱包してください。

こうした短絡防止策を怠ると、端子同士や金属と触れ合って発熱・発火する恐れがあります。

事実、過去には端子が接触して発煙事故につながったケースも報告されています。安全のため、ちょっとした手間ですが必ず実践しましょう。

バッテリーの状態も確認

最後に、バッテリー自体の状態にも注意が必要です。破損したり劣化が激しいバッテリー、リコール対象のバッテリーは飛行機での輸送が禁止されています。

膨らんでいるリチウム電池やひび割れたものは大変危険なので、絶対に持ち込まないでください。新品同様の正常なバッテリーのみ旅客機で運べると心得ておきましょう。

航空会社ごとの規定

次に、主な航空会社におけるバッテリー持ち込み規定の違いについて見てみましょう。基本的にはどの航空会社も先述の国際ルール(ICAO/IATAのガイドライン)に従っていますが、細部の規定や運用が各社で若干異なる場合があります。以下にいくつかの例を挙げます。

シンガポール航空

  • リチウム電池の機内持ち込み制限は一般的な基準と同じで、100Wh以下のバッテリーは持ち込み個数無制限、100Wh超~160Wh以下のものは2個までと定められています。
  • 160Whを超える電池の持ち込みは禁止です。
  • シンガポール航空では2023年頃から機内でのモバイルバッテリー使用を禁止する動きもあり、フライト中に自分のモバイルバッテリーでスマホ等を充電することは控えた方が良いでしょう。
  • 機内で充電が必要な場合は、座席のUSB電源やコンセントを利用することをおすすめします。

中国南方航空

  • 中国系の航空会社はバッテリー持ち込み個数に明確な上限を設けていることが特徴です。
  • 中国南方航空の場合、100Wh以下の電子機器は15台まで、予備バッテリーは20個までという制限があります。
  • さらに100Whを超え160Wh以下のバッテリーを持ち込む際には事前申告が必要で、予備バッテリーは最大2個までに制限されています。
  • 容量が160Whを超えるバッテリーは持ち込み不可である点も明記されています。
  • 加えて、中国南方航空ではバッテリーのワット時定格量が明記されていないものや不明なものは搭乗禁止とされています。
  • 要するに、容量表示のない怪しいバッテリーや粗悪品はダメということです。実際、中国の空港ではモバイルバッテリーの容量表示を厳しくチェックされるので、必ず容量表示のある正規品を持ち込むようにしましょう。
  • また機内ではモバイルバッテリーの電源を切り、機内での使用(充電行為)は禁止されています。

エバー航空(EVA Airways)

  • 台湾のエバー航空も基本ルールは同様ですが、独自の運用として100Wh以下の予備バッテリーは最大20個まで持ち込み可能と定めています。
  • 100Wh超~160Wh以下のものは2個までで、160Wh超は持ち込み不可です。
  • 特徴的なのは、機内でモバイルバッテリーを使用できない(機内での利用不可)と明示している点です。
  • これは近年各社で増えている措置で、機内で予備バッテリーを使った充電を禁止することで発火リスクを下げる狙いがあります。
  • エバー航空をご利用の際は、持ち込んだモバイルバッテリーは電源をオフにしておきましょう。

日本の主要航空会社

なお、日本の主要航空会社(JALやANA)も同様の基準を採用しています。

国内線・国際線いずれも100Wh以下は制限なし、100~160Whは2個まで、160Wh超は不可という基準で統一されており、基本的には世界共通ルールと考えて差し支えありません。

違いがあるとすれば、一部の航空会社で今回紹介したように「持ち込み個数の明確化」や「機内での使用禁止」といった追加ルールがある程度です。

航空会社によって細かな表現や運用が異なることもありますので、心配な場合は各社のウェブサイト「危険物持ち込みに関する案内」ページなどを事前にチェックすると良いでしょう。

注意点とおすすめの対策

最後に、飛行機に乗る前に確認しておきたい注意点と対策をまとめます。バッテリーに関するトラブルを避け、スムーズに保安検査を通過するために次のポイントを押さえておきましょう。

  • バッテリーの容量(Wh)を確認する:お持ちのスマホやノートPC、モバイルバッテリーのワット時定格量(Wh)がいくらなのか把握しておきましょう。多くの場合、バッテリーや製品本体に記載があります。例えば「〇〇mAh / 3.7V」などと書かれている場合は、mAh × 電圧(V) ÷ 1000の計算式でWhに換算できます。
  • 10,000mAh・3.7Vのバッテリーなら約37Wh、20,000mAhなら約74Whとなります。100Whを超えるかどうか一つの目安なので、大容量のバッテリーを持つ場合は事前にチェックしましょう。
  • 容量表示のないバッテリーは海外では持ち込み拒否されることがあります。

各航空会社の最新ルールを確認

  • 基本ルールは同じでも、航空会社ごとに細かな規定や方針が異なる場合があります。
  • とくに100Whを超えるバッテリーを持ち込む場合や予備電池をたくさん持つ場合は、事前に利用航空会社の公式サイトで「手荷物でのリチウム電池取り扱い規定」を調べておきましょう。
  • 英語サイトしかない場合もありますが、「Lithium Battery carry-on policy」などのキーワードで探すと見つかります。チェックインカウンターで申告が必要なケース(中国系など)もあるので注意しましょう。

安全な持ち運び・梱包をする

  • 持ち運ぶバッテリーはしっかりと安全対策をしておきます。予備バッテリーは先述のとおり、端子をテープでふさぐ・個別に袋やケースに入れるなど短絡防止策を徹底します。
  • リチウム電池を内蔵した機器本体も、カバンの中で押しつけられて電源が入らないよう配慮しましょう。
  • スーツケースに入れる場合は周囲を緩衝材で囲む、機内持ち込みバッグでも尖ったものと一緒にしない、といった工夫が大切です。
  • 要は衝撃・圧力・金属接触を避けるよう梱包することがポイントです。

機内での扱いに気をつける

  • 飛行機に乗ったら、預け入れた荷物だけでなく自分が持ち込んだ電子機器やバッテリーにも気を配りましょう。
  • 稀ではありますが、機内持ち込み手荷物の中でバッテリーが過熱し、客室内で発煙する事故が起きた例もあります 。
  • 機内ではモバイルバッテリーの電源は切り、必要以上に取り出さないようにします。
  • また、座席の足元や物入れにしまったカバンから異臭や煙がしないか、ときどき様子を確認すると安心です。もし異常を感じたら乗務員にすぐ知らせてください。

その他の豆知識

  • 海外旅行先からバッテリーをお土産に買って帰る場合も、容量と個数制限は同じです。
  • 大量のモバイルバッテリーを持ち帰ろうとすると税関や保安上の理由でトラブルになる可能性もありますのでほどほどに。
  • モバイルバッテリーはPSEマーク(日本の電気用品安全法適合表示)のあるものだと日本で安心して使えますが、飛行機への持ち込みについてはPSEの有無は関係なく容量と安全な取り扱いが重視されます。
  • リチウム電池を搭載した電子タバコやモバイルバッテリー内蔵型のスーツケースなども、基本的には同様のリチウム電池規制の対象となるので注意しましょう。

まとめ

以上、パソコン・スマホ・タブレットのバッテリーと飛行機の持ち込みルールについて解説しました。

モバイルバッテリーとは違う点機内持ち込み・預け入れそれぞれの注意事項がお分かりいただけたでしょうか。

バッテリーのポイント

  • 160Wh以下のバッテリーなら基本的に機内持ち込みOK(100Wh超は2個まで)。
  • 160Wh超はNG
  • 預け入れ手荷物にバッテリー(特に予備電池)を入れるのは不可 。電子機器本体もできるだけ機内持ち込みに。
  • 航空会社のルールを事前チェック(特に海外航空会社や乗り継ぎ時)。
  • 端子のテープ貼りや個別梱包など安全対策を万全に

これらを守れば、飛行機でバッテリーを持ち運ぶこと自体は怖がる必要はありません。

容量内の飛行機対応バッテリーであれば安心して旅に持って行けますし、スマホやPCも今や旅行の必需品ですから適切に携行しましょう。

ルールを守って安全にバッテリーを持ち運び、快適な空の旅を楽しんでくださいね。

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この記事を書いた人

SNS・インターネットサービス・CahtGPTなどのAI・AIエージェントやガジェットについて色々と興味のあるものを比較・分析して、独自の視点でご紹介しています。

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